聖母坂どうぶつ病院コラム
治療・予防

コラム 犬猫の認知症について

皆さんこんにちは。今回は「認知症」について載せようと思います。

動物医療の進歩により、以前に比べてペットの犬猫の平均寿命が延びました。
長生きしてくれることは嬉しい事ですが、高齢になると気になる事のひとつに「認知症」が挙げられます。ペット達が認知症にならずに健康寿命が延びてくれることがいいですよね。

その為に、今回は皆さんに認知症について知ってもらい、私達飼い主がペットにしてあげられることをお伝えしようと思います!

認知症とは脳の老化に関連した行動の変化です。認知の低下、刺激に対する反応の低下、学習と記憶の損失などが症状として挙げられます。具体的な症状を以下に挙げてます。あなたのペットに当てはまる項目はありますか?

・見当識障害:迷子になる、ドアが開くのを待つときに、蝶番のほう(開かない方)を見ている、散歩から帰るときに家の前を通り過ぎてしまう、など。

・人間や他の動物との関わり合いの変化:遊びが減った、関心を示さなくなった、帰宅した飼い主さんを他人と間違えて吠えた、など。

・睡眠・行動の変化:昼夜逆転した、寝ている時間が増えた、夜間徘徊、など。

・学習したことを忘れてしまった:トイレの失敗、オスワリなどの合図への反応が悪くなった、など。

・活動性の変化:今まで好きなことをしなくなった、歩き回る、今までやらなかったことをやるようになった、など。

・不安:飼い主さんがいなくなると鳴く、夜中にちょっとした物音で起きてそわそわする、不安から攻撃的になる、など

このような認知機能の低下の症状が7歳くらいから少しずつ見られてきます。
まずはもっと細かく記載された質問表に回答して、現在どのような状況かを把握しましょう。
(質問票は病院で用意してありますので、ご希望の方はお気軽にお申し付けください。)

質問票に当てはまる項目が少なくても、数か月後に同じ項目をチェックして進行しているか判断します。毎日一緒にいると、意外とちょっとした進行に気付かないこともあります。
このような質問票を使って客観的に判断することで早期発見につながります。「夜鳴きがひどいから鳴き止ませたい」「トイレを忘れてしまったから、またできるようにしつけたい」など認知症は悪化してからどうにかしようと思っても、その症状はなかなか改善しません。
認知症は早期の対策をして悪化させないことが大切なのです。その為に、飼い主さんには早期にペット達の変化に気付いてもらいたいです。

ちょっと進行してきたな、とか、すでに沢山の項目が当てはまっているな、という場合、その子にやってあげられる事を相談していきましょう。まずは環境の設備です。
ペット達が安心して過ごせる環境づくり(滑らない床、行きやすいトイレ、適度な運動など)は心身共に良い刺激となります。そしてご飯や知育トイなどを使って脳のトレーニングをしましょう。また、認知症には抗酸化成分の摂取が有効であることが判明しています。
サプリメントや適した食事で脳の老化を防ぎましょう。他にも夜鳴きや不安などに対してはお薬の提案をする場合もあります。

当院ではシニアクラスを開催しており、このような「認知症」の予防のメニューも用意しています。シニアライフに向けてペット達にやってあげられる事、準備できる事がお勉強できます。もちろん診察の時でも色々とアドバイス致します。皆さんと、皆さんのペット達が楽しいシニアライフを過ごせるようにサポートしていきたいと思います。
興味があったらお気軽に相談してくださいね☆

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