聖母坂どうぶつ病院コラム
治療・予防

健康診断② レントゲン検査

前回、健康診断の中で、貧血・炎症・出血を起こす病気や、肝臓・腎臓・栄養の状態を調べることのできる血液検査についてのお話を載せました。
今回は血液検査が苦手な部分を調べることのできる検査の一つ、X線(レントゲン)検査についてお話をさせていただきます。

まずX線とは、エネルギーを持つ粒子によるビーム、いわゆる放射線の一種です。
X線はさまざまな物質を貫通することができ、生き物の体も貫通することができます。
この事を利用し、体を貫通したX線をフィルムに焼き付けることで、体の中を透かして見ることのできる写真、つまりX線写真を作るのがX線検査の仕組みです。

このように体の中を透かして見ることのできるX線検査は、内臓の『形、大きさ、数』を調べることが得意です。
例えば、血液検査で肝臓や腎臓の状態を知ることができることを前回お話ししましたが、肝臓や腎臓の大きさや形は血液検査だけではわかりません。
血液検査での肝臓や腎臓の数値が高いことと、X線検査による内臓が大きい/小さい、あるいはおかしな形をしていたり、あるいはあるはずの内臓がない、ないはずのできものがある、といった情報を組み合わせることで、潜んでいる病気に一歩近づくことができることがあります。

さらに、特にワンちゃんの心臓の病気がある程度進むと、心臓が大きく拡大してくることがありますが、これは血液検査では全く分からない場合も多いのです。
一方、X線検査は内臓の形や大きさを調べる検査ですので、心臓の拡大を見つけるのは得意です。

また、これは次回以降にご説明しますが、超音波(エコー)検査は、空気が入っている臓器(肺など)や骨の検査が苦手です。
一方で、X線検査では空気や骨はくっきりと写りますので、肺や骨の病気を見つけるのにも適していると言えます。

しかし、X線検査にも苦手な分野があります。

X線検査は、水(尿、胃液や腸液、血液など)と内臓と腫瘍などのできものを区別できないのです。
これは、多くの内臓や腫瘍にもたくさんの水分が含まれていて、X線検査ではこれら3つはいずれも『水』と判断されてしまうためです。
そのため、内臓から離れたところにある腫瘍を見つけることはできるのですが、内臓の中にある腫瘍などを見つけることは苦手なのです。

さらに、X線写真はカメラで撮る写真と同じで、その瞬間だけをとらえている検査です。
そのため、内臓の動き、例えば心臓がどのように動いているかなどを知ることはできません。

そこで出番となるのが、体の断面図や内臓の動きを見ることのできる超音波(エコー)検査です。

次回は超音波検査についてご説明させていただきます。

下落合、目白、椎名町エリアのイヌとネコの動物病院
聖母坂どうぶつ病院 院長 田草川

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