こんにちは!
今月のコラムでは、「ダイエット」をテーマにお話しします。
なぜこのテーマかというと、診察に来ているわんちゃん、猫ちゃんの中にはぽっちゃりめな子も意外と多いのかもと感じたからです。
まずは、おうちのわんちゃん、猫ちゃんにダイエットが必要なのか、どう判断すればいいのかお話しします。
わんちゃん、猫ちゃんの肋骨のあたりを頭側からしっぽ側に向かって撫でてみてください。
正常体型の子は、少しの皮下脂肪を通して肋骨の隆起に触れることができます。
しかし、ダイエットが必要な子は、皮下脂肪に覆われて肋骨の隆起にかろうじて触れることができるか、まったく肋骨の隆起が分かりません。
(もっと詳しく知りたい方は、「ボディ・コンディション・スコア」とお調べください。)
もしおうちの子がどうか分かりにくかったら、診察のついでに聞いてみてくださいね。
では、ぽっちゃりちゃんはなぜダイエットをした方がいいのかについてです。
ぽっちゃりちゃんは正常体型の子よりもいろいろな病気のリスクが高いといわれています。
具体的には、、、
〈 肥満のリスク 〉
・ 高脂血症になるリスクが増える。
・ 慢性心疾患の有病率が高くなる。高血圧になる。
・ 関節炎になるリスクが増える。
・ 糖尿病の疾患率を上げる。あるいは、病態を悪化させる。
・ (猫)肥満の猫が何かの理由で数日間くらいご飯を食べないことが、脂肪肝発症の素因になる。
※脂肪肝は命に関わる病気です。
・ 尿路結石形成のリスクが増える。
・ 食事制限をして痩せているグループと、制限をしなかったグループだと、後者の方が寿命が数年短くなった。という研究報告がある。
これだけのリスクをはらむ「肥満」は、事実上の「疾患」なのです。
では、どのようにダイエットをしていくのが良いのでしょうか。
まず今食べているものの見直しから行います。
〈おやつ〉
その子に必要な一日のカロリーの10%はおやつに使っていいといわれています。
おやつを与える場合はごはんのカロリーは一日のカロリーから10%引いた90%となります。
その子に必要なカロリーの計算は聖母坂どうぶつ病院におこしの際、聞いてくださいね。
今食べているおやつを持ってきていただければ、そのおやつを一日にどのくらい食べて良いのかもお教えできます。
〈ごはん〉
聖母坂どうぶつ病院では、ダイエットをするときに今食べているごはんから、ダイエット用フードに切り替えることをお勧めしています。
ダイエットには「低脂質」「高蛋白質」「低炭水化物」「高繊維」という栄養バランスが良いといわれています。
動物病院でお出ししているダイエット用フードはこれを満たしているのでダイエット効果がより現れやすいのです。
聖母坂どうぶつ病院では、その子にはどのフードがあっているのか、量はどのくらいがいいのかお教えしています。
次に 〈運動〉 についてお話しします。
人だと、ダイエットには運動をするのが良いといわれていますが、わんちゃん、猫ちゃんではどうなのでしょうか。
ぽっちゃりちゃんがいきなり運動をすると、関節を痛めてしまいます。
また、食事制限をしっかりと行うことの方がダイエット効果が現れやすいことから、聖母坂どうぶつ病院では、運動よりも食事制限に力を入れてお伝えしています。
最後に、ダイエットを始めたら、動物病院での定期的な体重測定をお勧めしています。
定期的に測定することで、体重が短期間で減りすぎてしまっていないか。
逆に、体重の減り方が遅すぎないかを知ることができます。
それによって、聖母坂どうぶつ病院でごはんの量を調整し、お伝えします。
ダイエットは、わんちゃん、猫ちゃんの 「おやつやごはんをもっとくれくれ攻撃」 に耐えなくてはいけなく、とっても大変ですよね。
ですが、その子にとってベストな体型にもっていってあげられるのも飼い主様だけです。
大変なこともあるかもしれませんが、私たち聖母坂どうぶつ病院スタッフと一緒にダイエットを成功させましょう!
下落合、目白、椎名町エリアのイヌとネコの動物病院
動物看護師 大口