9月1日は防災の日です。
今月のコラムは犬と猫の災害対策についてです。
皆さんは緊急避難に備えてどのような準備をされていますか?
まず思いつく事は必要な物資の備蓄ですね。
数日分のご飯や水、お薬を飲んでいる子は常備薬、食器、ペットシーツ、など、すぐに持ち出せるようにひとまとめにしておきましょう。
今回は、それ以外に今から準備できることを書こうと思います。
避難所ではたくさんの人が集まります。
中には動物が苦手な方、アレルギーのある方もいらっしゃいます。
その為、飼い主さんのお膝の上で避難、とはいかない可能性があります。
多くの場合、キャリーケースに入っている必要があります。
そこで、今から皆さんに実施してもらいたいことは「キャリーケースを安心できる場所」にしてあげることです。
特に猫ちゃんで「キャリーケース見ると逃げていく」というお話をよく聞きます。
これは、キャリーケース=怖い!と感じているのです。
動物病院に連れて行くときに、飼い主さんが必死で捕まえようとして追いかけて、不安な気持ちのまま移動して、知らないところ(動物病院)で知らない人に触られて注射!
となれば、キャリーケースが嫌いになる理由も理解できますね。
もしキャリーケースが安心できる場所となれば、避難所という知らない場所でもストレスが軽減できますので今からキャリーケース=安心できる場所、にしていきましょう。
まず、キャリーケースは扉を外してお部屋に出しっぱなしにしておきましょう。
常に自ら入れる状況にしておきます。
中にはお気に入りの毛布など入れておくのもよいでしょう。
次に、わんちゃん・猫ちゃんの大好きなおやつを奥に入れます。
そうして自分でキャリーケースの中に入る行動をさせます。
猫ちゃんの場合は、猫じゃらしで誘導して、ケースの中で遊ぶのもいいでしょう。
おやつや遊びはわんちゃんや猫ちゃんの大好きなことです。
大好きなことをセットにすることで「キャリーケースの中にいるといいことがある!大好きな場所!」にします。
大好きな場所になったら、今度は自分から入っていくようになります。
そこでリラックスして寝てくれたら、トレーニング大成功!
今のうちからトレーニングをして備えましょう。
聖母坂どうぶつ病院では、わんにゃんスクールという飼い主さんとペット向けのセミナーを実施しており、そこでキャリーケースを好きになるトレーニングを教える講座もあります。
是非興味のある方は参加してみてください。
もし災害で迷子になってしまった際は、マイクロチップが有効です。
ペット達は言葉が話せませんから、身元を証明する手段が必要です。
首輪は外れてしまうことも多いので、確実に残るマイクロチップが安心です。
マイクロチップは肩付近の皮膚の下に注射のようにして入れます。
挿入時は気づかない子がほとんどで、入れた後も気にすることはありません。
ついつい先延ばしにしてしまいそうな事ですが、このコラムが準備するキッカケになったら嬉しいです。
下落合、目白、椎名町エリアのイヌとネコの動物病院
聖母坂どうぶつ病院 獣医師 鵜飼
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