動物病院を好きになろう!

こんにちは。第1回目のコラムは、「動物病院を好きになる」というテーマです。

皆さんのワンコ・ニャンコ達は動物病院好きですか?
病院は怖いところ、と思いそうなものですよね。

しかし、動物病院を「大好きな場所」にすることはできるのです!
そして動物病院を「怖くないところ」「好きな場所」にしておく事は、とっても大切です。

動物たちは、なぜ病院に連れてこられているか理解できません。
具合が悪い上に、不安な気持ちがいっぱいで診察や治療を行うことは、逆に苦痛になってしまいますよね。

私は病気を治してあげたいと思いますが、動物達に嫌われたくありません(笑)。

ワンコ・ニャンコ達がストレスなく健康でいられるようにサポートをするため、当院では様々な工夫をして、動物病院やスタッフを大好きになってもらえるようにしています。

まずはリラックスできるようにごほうびをあげたり、遊んであげたりしています。
是非、お散歩の途中に病院に寄っておやつをスタッフからもらってください!

このように診察以外の時に楽しい体験をすることが大切です。

実際に遊びに来てくれるワンコ達は、当院を病院ではなく、「カフェ」だと思っているようです。
みんな楽しそうに病院に入ってきてくれます。
ニャンコには猫じゃらし作戦です。ドキドキしていた子も心を開いてくれることがあります。
このように病院を大好きになっていると、体調が悪くて診察や入院をした時も全くストレスなく過ごすことができています。

もし検査をするときに怖くてパニックになってしまいそうな子には不安を取り除いた状態で検査をするため、鎮静剤の使用を提案することがあります。
人間でも内視鏡検査で不安な場合は麻酔や抗不安薬を使ってもらったりするのと同じですね。
ぼんやりしていて、なんだかよく分からない間に済んでしまったほうがストレスが無く、私も嫌われないので(笑)、いいと思います。

子犬・子猫の時期は動物病院を好きになってもらう絶好のチャンスです。
当院ではパピークラスを開催しています。ほとんどの子がクラスを通じて動物病院を好きになってくれるので、とても嬉しいです。

「病院のシャッターが閉まっていても、入ろうとして前で座っているんです!」
「病院行こうって言うと嬉しそうに走り出すんです!」
「坂の下になると、病院めがけて走ってきます!」
こういった話を聞くと、すごくうれしくなります。
そのような病院大好きな子たちを増やして、たくさんのワンコ・ニャンコが安心して診察・治療を受けられる病院にすることが私の目標です。

他にもたくさんの「病院を好きになる方法」があります。
おうちで飼い主さんができることもたくさんあります。
ここには書ききれないので、興味のある方は是非来院時に聞いてみてくださいね♪

目白、下落合、椎名町エリアのイヌとネコの動物病院 聖母坂どうぶつ病院
獣医師 田草川(鵜飼)佳実

寒い冬に注意・膀胱炎

こんにちは。
寒い日が続きますね。

今回は「膀胱炎」がテーマです。
動物病院では1年を通じてどの季節でも膀胱炎を見ますが、やはり冬に多いと感じます。

膀胱炎の症状は、
・血尿
・頻尿
・残尿感(何度もトイレへ行く。オシッコの格好をするけど出ない)
・排尿痛(オシッコ中や後に鳴く、おしっこの出口をしきりに舐める)
などが挙げられます。

その原因は
・細菌が繁殖してしまった。
・膀胱に結石がある。
・ストレス(これは猫に多いと言われています)
などがあります。

膀胱炎、とだけ聞くと、そんなに危ない病気に感じませんが、実は命に関わることもあるのです。

〈怖い話その①〉
細菌が繁殖したケースの膀胱炎であれば、放置すると細菌が腎臓に及んで腎不全の原因になり得ます。腎臓は尿を作る大切な臓器ですので、腎不全になると危険な状態になります。

〈怖い話その②〉
膀胱結石や炎症ではがれた粘膜などが尿道に詰まると「尿道閉塞」がおこってオシッコが出せなくなります。尿道閉塞になると、作られたオシッコが行き場を無くして膀胱はパンパン、腎臓にも負担をかけて腎不全になります。

ということで、膀胱炎の症状が出たときは、早めに動物病院へ来てください。

動物たちは、夏に比べて冬はお水をあまり飲まず、暖かいところでゴロゴロしていて動かないことが多いです。
その結果、オシッコの量が減って濃くなり、あまりトイレに行かないことで結石や膀胱炎になりやすくなります。
これが冬に膀胱炎が多い理由のひとつです。
予防には、お水を十分飲むことと、適切な運動をしてオシッコをすることが大切です。

体質的に膀胱炎になりやすい子や、結石を作りやすい子もいます。
実は結石があっても気づかれていないケースもあります。

これに対しては健康診断が有用です。超音波検査や血液検査、尿検査などを総合的に評価することで、適したご飯や生活習慣をアドバイスができます。
すでに結石ができてしまっている場合には、大事に至る前に治療を実施することができます。
膀胱炎や結石ができていなくても、起こりそうな状態が検出できた場合は、予防方法をお伝えすることができます。

最後にあまり知られていない豆知識を。
シュウ酸という結石(溶けない結石なので、できてしまうと手術が適応になります。)は、ビタミンCが多いとできてしまう可能性があります。
ダイエットでキャベツをそのまま沢山食べる、という話をよく聞きますが、結石の原因になっている事があります。
もしキャベツをあげる際は、十分茹でて、ビタミンCの量を減らしたり、お水を多めに飲ませることで結石ができにくい尿の環境を作ってあげることが大切です。

目白、下落合、椎名町エリアのイヌとネコの動物病院 聖母坂どうぶつ病院
獣医師 田草川(鵜飼)佳実